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国連が1億ドルの緊急資金を支給し、飢饉を回避するための世界的取り組みを呼びかける

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2020年11月20日

国連は飢饉の危険があるとみなされた7カ国に1億ドルの緊急資金を割り当て即座に行動しないなら、世界は「膨大な数の子供たちが死んでいくのをテレビの画面で」目撃するかもしれないと警告しました。

気候危機、Covid-19、紛争、経済の衰退が、何百万人もの人々が緊急レベルの食糧不安に直面しているアフガニスタン、ブルキナファソ、コンゴ民主共和国、ナイジェリア、南スーダン、イエメンで「深刻な危機」を引き起こしています。人道問題担当のマーク・ローコック国連事務次長はガーディアンに語りました。

干ばつが紛争の拡大を悪化させているエチオピアは、2000万ドルの資金を受け取ることになっています。

「これは目前の状況に対処するのに間違いなく十分な資金ではないが、私たちがやろうとしていることは、注意しないと、世界中の飢饉を防ぐことをなぜしなかったのか、1年後に自問することになるという警告を世界に送ることだ」とローコック氏は述べています。

「私たちは、主要な人道的金融機関である米国、ドイツ、欧州委員会、英国が強化されることを絶対に望んでいる。全体として、今年の人道支援活動には200億ドルが必要だが、7月までに、30億ドルしかなかった。Covid-19は、人道支援を必要とする人々の数を2億5000万人に押し上げた。問題は資金が増えるよりも速く拡大しているため、今この極端な状況がある」

国連中央緊急対応基金(CERF)が最も脆弱な人々、特に女性と少女、および障害を持つ人々を対象とした現金とバウチャープログラムを通じて資金を分配すると国連は述べています。

330万人が食糧を必要としているアフガニスタンは1500万ドルを受け取ります。ブルキナファソは600万ドルを受け取ります。2020年末までに2200万人近くが食糧援助を必要とするであろうコンゴ民主共和国は700万ドル、ナイジェリア北東部は1500万ドル、南スーダンは700万ドルを受け取ります。紛争が5年間続き、何百万人もの人々が苦闘しているイエメンは3000万ドルを受け取ります。

国連の発表は、水曜日に発表されたケアレポートに続いて行われ、Covid-19の影響により、深刻な食糧不安を経験している人々の数が2020年末までにほぼ2倍になる可能性があると警告しています。

レポートによると、コンゴ民主共和国、ナイジェリア、南スーダン、イエメンの4か国が初めて同時に飢饉に遭遇しました。

ケアによると、ドナーは2020年に必要な資金の39%しか提供していないのに対し、2019年は63%でした。

レポートの著者であるサラ・ファーマン氏は、この調査により、世界が今行動を起こすためにどれほど緊急にステップアップする必要があるかが明らかになっていると述べました。

「これは、一国が解決できる問題ではありません。すべての国のすべてのドナーが、彼らの資金に対する彼らの優先事項が何であるか、そして来たるべき危機にどのように対処したいかに再集中して再考するための協調した努力が必要です」と彼女は言いました。

「パンデミックとその影響に人々を飢饉の大きなリスクにさらさせた時期として2020年を振り返りたいのか、それとも『私たちはまさに人々の生命を救うために協力した』と振り返って言いうのでしょうか? 」

Original source: The Guardian


論説:私たちは過去に飢饉を回避した – 再度回避しなければならない

国連人道問題の責任者のマーク・ロウコック氏が、紛争、経済の衰退、気候変動、COVID-19のパンデミックによって引き起こされる飢餓の蔓延のリスクが最も高い国で人々の生活を支援するために、1億ドルを割り当てるという発表に続いて、ローコック氏と世界食糧計画事務局長であるデイヴィッド・ビーズリー氏による次の論説が、タイムズ・オブ・ロンドンからオンラインで公開されました:

人類の最大の成功は、飢饉を歴史に委ねることでした。

私たちが今再びそれに直面していることは、地球上のすべての人を養うのに十分な食料が生産されているとき、悲痛であり、道理にかなっていません。

これは、私たちの目前でそれを起こらせるつもりなのかどうかを自問するときです。

アフガニスタン、ブルキナファソ、コンゴ民主共和国、ナイジェリア北東部、南スーダン、イエメンが危機に瀕しています。

世界は当然のことながらCOVID-19に気を取られていますが、これが私たち注目をより大きな殺人者からそらせることをさせてはなりません。

脆弱で紛争に見舞われている国では、最も害を及ぼすのはウイルスそのものではありません。受け損ねた予防接種、教育、日給は、家族が食事をすることができないことを意味します。

深刻な食糧不安、つまり次の食事が食べれるのどうかかわからないことはCOVID-19の前からありました。

しかし、パンデミックとそれに伴うロックダウンの影響(収入の減少、食料価格の上昇)は、油に水を注ぐようなものでした。この火を放っておくと、何百万人もの子供たちが亡くなるでしょう。

短期間の飢饉でさえ、壊滅的な長期的影響を及ぼします。それが子供にどういう影響を与えるかは言葉では言い表せません。

対処しないと、それは何十年もの進展の壮大な崩壊を引き起こすでしょう。

歴史はこれが回避できることを証明しています。2017年には、ナイジェリア北東部、ソマリア、南スーダン、イエメンで回避されました。そして再び回避することが可能です。

国連の COVID-19グローバル人道対応計画には100億ドルが必要です。それは富裕国の12兆ドルの刺激策、または世界の2000人の億万長者の8兆ドルの総純資産と比較して、大海の一滴です。

最も危険にさらされている国の人々を支援するために、私たちは国連の中央緊急対応基金から1億ドルを割り当てました。WFPは年間約1億人を支援しています。寄付できる立場にあるすべての人からの寄付が必要です。

イエメンを例に取ると、戦争、経済の崩壊、食料価格の高騰、公共インフラの破壊により、すでに約2000万人が危機に瀕しています。さらに300万人がウイルスによる深刻な飢餓に直面する可能性があります。イエメンの民間人への人道的アクセスを確保するために私たちが直面している苦闘は、運営に資金を提供するドナーの意欲を酷く低下させており、人々を助ける私たちの能力を妨げています。

地域内外の国々は、イエメンの救援活動に資金を提供し、粉砕された経済を安定させ、長期的な発展を支援し、戦いをやめて和解するよう戦争当事者に圧力をかけるために協力する必要があります。

ノーベル委員会がWFPに平和賞を授与したとき、彼らは飢餓に苦しんでいる、または飢餓の脅威に直面している何百万もの人々に世界の目を向けることを望んていると言いました。

私たちはそれにまったく同感します。25億人以上の人々が危険の瀬戸際に立っているとき、目をそらしている時間はなく、ましてや立ち去ることは論外です。

飢饉が宣言されるまでには、人々はすでに死に始めているので、手遅れです。 人類の汚点である飢饉に対処するために、今こそ行動する時なのです。


マーク・ロウコック氏は、人道問題担当国連事務次長兼緊急救援調整官です。
デビッド・ビーズリー氏は、国連世界食糧計画事務局長です。

Original source of op-ed: OCHA

Image credit: Maryam Ibrahim, OCHA