この21世紀に重度の栄養失調と基本的資源へのアクセスの欠如からいまだ非常に多くの人々が死ぬということがどうして起こり得るのでしょうか。2011年からのオキュパイ抗議デモに生命を吹き込んだ情熱の大規模な復活の時が来ましたが、今こそ、豊かさの真っ只中で激化する大量飢餓の現実に集中する時です。
2017年には人命救助のための食糧と医療援助を必要とする過去最大数の人々を持つ世界は今、かつてない飢餓及び飢饉の危機に直面しています。今年の始め以来、それに見合った行動を緊急に国際社会がとれないでいる傍ら、第二次世界大戦終結以来最大の人道危機が展開され続けています。人々の苦しみは圧倒的規模であり:140万人の子供を含んだ2千万人以上が飢餓寸前にあるという控えめな見積もりは日々上昇しています。南スーダンの何ヶ所かで既に飢饉が宣言され、そして間も無くソマリア、ナイジェリア北東部、イエメンがそれに続くと予想されます。
2月には国連が人道資金調達のための最大の訴えかけを開始し、これら4ヶ所の紛争地域での迫り来る飢饉を避けるために7月までに44億ドルの拠出を求めています。それにもかかわらず、これまでの総額は10億ドルにも達しておらず、この最低限の絶対不可欠な資金を時間内に調達する希望は僅かです。先週、人口の3分の2が食糧不安に見舞われている、世界最大の飢餓危機と言われるイエメン単独で資金不足分の21億ドルをもまた国連は求めました。しかしこの訴えかけでさえが半分足らずの資金を調達しただけで、それはおおよそ確実に何百万人という疎かにされたイエメンの人々を飢餓や病気から死ぬ可能性に直面したまま放置するでしょう。
かつてない程裕福で技術的に進歩したこの21世紀に、重度の栄養失調と基本的資源へのアクセスの欠如からいまだ非常に多くの人々が死ぬということがどうして起こり得るのでしょうか。(13万3千人の子供を含んだ)ソマリアの飢饉で25万人が死亡し、更に百万人が慢性的貧困、苦難、生計の損失のレガシーを残し、東アフリカが破壊的な干ばつと食糧危機に見舞われたのはたった6年前でした。
この恐ろしい人間の惨事の直後に極度の飢餓の終結に向けた憲章が世界中の非政府団体によって起草され、そのような規模の飢餓の再現防止を各政府や援助機関に呼びかけました。しかし、大規模な早期の予防処置をとるための下地となる憲章の原則は基本的に無視されたままとなりました。最近の危機の早期警告サインは何ヶ月も以前に明らかだったにもかかわらず、またしても国際社会は、完全に予測可能及び回避可能な飢饉を避けるための対応に間に合いませんでした。「人道理念は一つ:責任の共有を」という空虚なスローガンのもと、複雑な国際緊急システムへの改革パッケージに同意した、去年の世界人道サミットで取り決められた「大取引」が大きく取り沙汰されました。
この事実は強調されるべきです。なぜなら、もし十分な資源が貧窮するすべての人に再分配されるなら、大部分が人工的で防止可能な飢饉を食い止め根絶する力が私たちにはあるからです。自然災害でなくむしろ紛争や民間戦争が主な原因となった高まる「メガ危機」が標準となり、疑問の余地なく現在のチャレンジは史上に残るものです。しかしながら、緊急の資金調達の訴えを充足するためにさらに力を入れるどころかドナー国政府は近年、要求の半分も充足しておらず、国々をお互いに資源のために対抗させたまま多くの危機と併せて放置しています。その間、富裕国は新たな資金として古い援助の誓約をリサイクルし直し、そして外国援助の年間増加額は最も開発の遅れた国々へ届いていないと推定されています。トランプ政権はこの年の飢饉の緊急援助のための訴えへの新たな資金はないと誓うだけでなく、外国援助や世界食糧計画(WFP)などの国連計画への自発的貢献を劇的に削減するという段取りを発表しました。
30万人以上が援助を必要としている時、WFPが一度に2、3千人分しか緊急食糧援助を備えていないソマリランドにおいて証明されるように、現地での惨事的結果は避けられません。南スーダンでは二人に一人近くが緊急に食糧援助を必要とするにもかかわらず、160億ドルのうち4億2千3百万ドルしか受けていません。被害の出ているこれらの3カ国の中で人口580万人のうち510万人が食糧不安に見舞われているナイジェリアの北東部では、対応計画にはいまだ20%しか資金が供給されていないままです。
勿論、援助だけでは極度の貧困と飢餓の解決にはなりません。長期的には、饑餓危機を回避するための解決は発展途上国自身が握っています。地域の食糧生産の支援、コミュニティの弾力性の強化、貧困者のための社会的サービスや保護の保証など全方策が効果的な国家ガバナンスに依存します。物資及び経済援助の必要を越えて、飢饉の政治をどのような国際的取り組みの中にも設置する紛争予防と平和構築への長期的アプローチの必要性もあります。戦いの大部分は絶対不可欠な資金を調達するということだけでなく正しい対応戦略を考案することと、複雑で断片化した交戦地帯での必要なアクセスを保証することでもあります。
同時に、今日の激化する食糧危機の根本原因に取り組むことは最終的に、競争する国家間の外交議題の転換に依存します。それは、過去最高の世界的強制移動をもたらした中東とアフリカでの多くの戦争に直接的または間接的に責任があります。イエメンを引き裂く破壊的紛争は、誓約された援助金額を遥かに上回る何十億ドルという金額に値する兵器販売など、広範な政治的、軍事的援助を通してサウジ主導の空爆作戦を下支えしている英国及び米国政府によって促進され続けています。
これは明らかにイギリスやアフリカのような国を再び「偉大」に出来る政策とは反対のものです。「支配を通しての国家安全保障」の自己破壊的政策に取って代わる新たな平和と寛容の戦略を世界は切に必要とします。それは、世界の最も貧窮化した全地域での教育、健康、水、衛生、農業、インフラへの投資のための現代版グローバル・マーシャル・プランを緊急に必要とします。武器出荷の代わりに援助資金の全額出荷; イエメンなどの国々でのドローン攻撃や軍事的「特殊作戦」の終結; 戦争で引き裂かれたすべての地域において切に必要とされる外交の推進; ノースからサウスへの不可欠な資源の大規模な移動 − などが、定着した世界的分割と激化する人間の苦しみに直面する今、真の政治的リーダーシップを示す唯一の方法です。
STWRが長い間提唱して来たように、生命を脅かす貧困根絶のための政府間の緊急計画は、より平等で持続可能な世界達成への第一ステップそのものです。食料安全保障危機として国連によってひとつにまとめられた4カ国は事実、飢餓と貧窮化のより広範な危機の最も酷い例に過ぎないということは心にとめておかねばなりません。アフリカ全土だけでなくアフガニスタン、イラク、シリア、ハイチ、オセアニアやその他数多くの地域で社会的に排除された何百万人という市民もまた急増する世界的な食糧不安に苦しんでいます。国連の公式統計によると、世界には、北アメリカと欧州連合の人口を合わせたより多くの飢餓者がいます。生命を脅かす剥奪の結果、毎日約4万6千人が不必要に死亡しその大部分が低所得国で起こっています。
豊かさのど真ん中の貧困の悪化する現実に国際世論が集中しない限り、この巨大危機を緩和するために必要な、政府の優先項目の転換は決して達成されないかもしれません。長く同意されて来た全市民の社会経済権利をどこであろうと保障するために、世界資源の分かち合いに賛同する公衆の膨大な支持のほとばしりにとってそれがそのように重要だったことはかつてありませんでした。国家主義的感情の高まり、反移民レトリック、人道目的のための大幅な資金不足を背景に、世界の大多数派である苦しむ貧困者と結束して立つことは善意の一般人にかかっています。
2011年からのオキュパイ抗議デモに生命を吹き込んだ情熱の大規模な復活の時が来ましたが、今こそひとつのシンプルな統一的目標に集中する時です:世界人権宣言第25条の迅速な実現のために。これらの長期に渡って同意されて来た権利がすべての人に保障されている場所は世界のどこにもありません − 十分な食糧、住居、医療、社会的サービス、社会保障を万人のために。しかし放置された広大な紛争地域全体で飢餓から死んで行く何百万人の事実ほど、尊厳ある生活のためのこれらの基本的権利の欠如の凄まじい例はありません。従って、人道資金調達のための国連の控えめな訴えかけを越え、餓死する危険にある人々に富裕国が必要なすべての資源を再分配するよう、統一した要求を持って始まる終わりのない世界規模の抗議デモが必要とされます。
今日の状況は、ボブ・ゲルドフとライブ・エイドが、おおよそ百万人の生命喪失という最終結果をもたらしたエチオピア飢饉の犠牲者のために公的資金援助キャンペーンの最前線に立っていた、1980年より潜在的にさらに破壊的です。潜在的にこれより大きな規模で起こり得る惨事の繰り返しを阻止するためには、全国慈善団体の訴えへの一回限りの公的寄付より遥かに多くが必要とされるでしょう。国連とその関連機関を通して努力を大規模に拡大するよう政府に要求する、断続した平和的デモンストレーションにおいて無数の人々がまた世界中の街頭に必要とされるでしょう。世界中で急性栄養失調に直面する1億人以上の苦境に対する公的共感と怒りの巨大な表示をオーガナイズすることは可能ではないのでしょうか。世界の道義心を呼び起こすには、この例外的性質の草の根的な対応で十分かもしれません − 爆弾でなく食糧と薬を要求し;正義への唯一の道として経済的分かち合いのために立ち上がること。この重大な時に、これより卓越した目標と優先事項があり得ないことは確かなはずです。
フォト・クレジット: timeslive.co.za