グローバル経済を改革する
緊急援助プログラムは、グローバル経済を徹底的に改革し、現在の社会的、政治的、経済的、そして環境的危機の構造上の原因へ対処するためのより幅広いアジェンダの初期段階を形成するにすぎません。
そのような取り組みの規模と複雑さには比類がありません。貧困と環境保護から世界貿易と金融改革までの重要な世界の全課題を繋げ、更に平等な世界へと私たちをより近づける新たな規則と制度を確立するための効果的な協議に、全ての国の代表が参加したことはかつてありませんでした。グローバル経済の改革方法についての国際的意見の一致を達成するために、大規模な国連主導の協議プロセスが民間部門からの代表と同様に、市民社会グループ、政府、グローバルな関連機関と制度からのインプットにより開始されねばなりません。
次のセクションで要約されるように、これらの交渉の最小限の目的は、以下の項目のために要求される、改革された構造上、再分配上の取り決めにおいて同意することであるべきです:
- 万人のための十分な社会保護と基本的公共サービスへのアクセスを保証すること。
- 公平で持続可能な世界食糧制度を確立し、基本的人権として栄養価の高い食糧への普遍的アクセスを保証すること。
- 全ての人と国が環境の限界内で世界資源の正当な分け前へアクセスを持ち消費することを確実にすること。
より公平さに基づいた持続可能な資源の分配を可能にする世界的骨組みの組織化へ国家がどう同意するかに関係なく、既存の制度、政策、そして融資メカニズムの意味合いは絶大であり全てを包括します。私たちの世界の独立性の新たな展望は真の協力と共同の犠牲に基づき、国際経済関係においての深い変革を持って呼びかけられます。富、権力及び資源のより公平な世界規模の分配は貧困を削減し、より公正な貿易を要求し、補償援助を提供する既存の開発努力を遥かに超えたグローバル統治のより包括的構造と制度上の改革を必要とします。
優先事項プログラム
2008年の経済崩壊以来の6年間、政府はいまだ金融・通貨制度を再構築せず、また銀行部門と投機活動へより厳しい規制を課すこともしていません。安定した国際準備通貨を持って、バランスのとれたグローバルな金融構造を確立することに特別な注意が払われねばなりません。そして、公益のために機能する民主主義的で明瞭な組織を通してお金がつくられるために多くの提案が存在します。更にまた、タックス・ヘイヴン(租税回避地)を取り締まり、発展途上国の不公平で支払い不可能な負債をキャンセルするための大衆の呼びかけは長年の懸案であり、世界の財源のより平等な分配を達成するために不可欠であり続けます。
国家経済管理のためのより実行可能な取り組みは、西洋における発展の概念についての著しい再考、自然環境との私たちの関係のより総合的展望、そして全国的、社会的プログレスの主要な尺度としてのGDPなどの財務指標の再発想を必要とするでしょう。気候変動から天然資源の枯渇と劣化までの環境問題は、政府の政策における消費主導の優勢性同様、貿易の自由化への容赦ない後押しを政府が考慮し直さねばならないことが不可避であることを意味します。消費文化廃止のためには多くが必要であり、そしてエネルギーや資源効率化対策の広大なリストと共に、低炭素化インフラを建築し持続する方向へ劇的に投資が移行せねばなりません。
僅かな数の多国籍企業が握る金融経済力集中の高みへ立ち向かうために、特に発展途上国で市民が地域経済に対して持つ統制権を強化する政策が政府によってまた同様に支持されるべきです。街やコミュニティへ経済利益を再分配し戻す協同組合事業と共同計画への大きな支持と共に経済を多様化し、社会的結束と地域経済更新の促進を支援するために国からの資金は地域の主導権へ向けられるべきです。国内市場へ焦点を当てることは、地域産業において安定した雇用の機会をも高め不可欠なニーズを充足させるために地域と全国の自立性を修復する助けになるでしょう。
上記の浮き彫りにされた問題は、世界中で様々なキャンペーングループにより広く推進されている経済変革の異なった側面の包括的会議事項のスナップショットのみを唯一提供しています。これらのどの改革を実施するチャレンジも、経済政策の未来の指針を決定する権利を再び主張し、一般人のニーズへ仕える責任を政治家が重んずるのを確実にすることを市民社会に要求する基本的に民主主義的なものです。統治システムが経済的、文化的多様性に対して包括的、効果的、そして敬意的であるためには地域からグローバル規模におけるまで社会の全レベルでの決断過程への参加機会が市民に与えられねばなりません。
次のセクションでは上記で強調された世界的交渉のための焦点の三つの主要な領域を紹介しており、そしてそれらの成功を確実にするためになぜこれらの改革が前例をみないレベルの国際協力と経済の分かち合いを必要とするかを説明しています。
上記は「グローバルな経済の分かち合い入門」からの抜粋です。