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STWRインタビュー:偉大な変遷へのハートの目覚め

STWR Adam Parsons
2017年4月7日

ヴァンサン・ラッサールは現在、脱工業化への移行に関する疑問に焦点を合わせた9ヶ月間の研究に着手しています。最近、彼はイギリスのロンドンに滞在中、世界変革プロセスの中心としての国際経済の分かち合いに関するSTWRの取り組みと展望についてさらに知るために私たちを訪れました。

以下は本来ヴァンサンのホームページ What.happens.now?に発表された、STWRの編集長、アダム・パーソンズとのインタビューを要約、編集したものです。


ヴァンサン・ラッサール:STWRとその使命を述べてください。あなたはどういった経路でシェア・ザ・ワールズ・リゾースィズの仕事に就いたのですか。

アダム・パーソンズ:私たちは、この先待っているグローバルな社会変革、偉大な変遷についての疑問を考察しています。研究分野やグローバル・ジャスティス・サークルの中でさえ、シェア・ザ・ワールズ・リゾースィズがこの重大な疑問を囲む従来の問答とはなにか違ったものを提供すると私は信じます。

10年前、私はイギリスのジャーナリストでしたが、主流メディアに大変幻滅するようになりました。そこで旅行に出ることを決め、そして世界情勢、持続可能性並びに不平等危機についてもっと学びました。当時これらの問題は一般意識にありませんでしたが、現在でさえ、特に富裕国では殆どの人が私たちの文明の緊急事態の範囲を理解しているとは思えません。それは、殆どの人々が顔を背ける発展途上国による一定の犠牲が必要なほどです。私は実際にナイロビのキベラスラムについての本を執筆しましたが、それは世界に存在し世界統計に表されない貧困の酷さを説明しようとしたものでした。

インドを旅行中、モハメッド[1]と彼の取り組みのことを耳にし、その後ロンドンで彼と会い、そして彼が2003年に創始した組織に加わる機会を与えられました。世界的な生活基準の中の分裂が今日の世界問題の中心にあるという彼の考えに同意しました。環境危機を含んだ全問題に取り組むために、私たちはまず、命を脅かす貧困と飢餓の問題に取り組む必要があります。

理想的には、STWRにはふたつの部門があります:ひとつは、世界政策問題への取り組みであり、私たちは持続可能な開発目標(SDGs)によって現在取り次がれている持続可能な開発委員会などの討議において過去、国連レベルでこれらの問題に取り組みました。そしてふたつめは、地球市民のムーブメントを推進しながら不平等と持続可能性の絡み合った問題に取り組む必要性です。

現在のところ、私たちは主に「分かち合いの原理についての考察」という包括的な本を書くことに集中する一方で、モハメッドの執筆、特に最近書き終えたばかりの著書、世界人権宣言第25条を布告する:人々の世界変革のための戦略について人々に知ってもらおうとしています。この本は特に、世界変革が起こるために必要とされる霊的側面と、世界資源を分かち合うよう政府に圧力をかけるために必要な市民社会の大規模な動員について取り上げています。

社会変革を生み出し、コミュニケートの仕方において正しい種類のメッセージを発信するために、人々の価値観と噛み合う必要性を探求するコモン・コーズ・ファンデーショントム・クロンプトンのような市民社会キャンペーナーの大変予備的なアプローチを除いては、人類の内的態度をどのように変換させるかの疑問について多くは書かれていません。

必要とされる変革は余りに大きく、現在の政府は余りに旧式のパラダイムにはまり込んでいるため、この変遷がどのように起こるのか誰にもわかりません。これが、世界資源のより公平な分かち合いをどうもたらすかということについて社会的、経済的、そして政治的側面だけでなく、心理的、霊的側面をも探求することにおいてモハメッドの取り組みが大変重要なところなのです。
 

従って、それは政策変革に関するだけでなく、社会的変遷が起こるために必要とされる個人的変革、価値観の変革、そして霊的目覚めに関することでもあるのです。

この変遷についてあなたの言葉で簡単に説明してもらえますか。

STWRにとってそれはより平等で持続可能な世界への画期的、文明的変遷なのです。最終目的地は未知であり、20年、30年後には世界経済システムがどのようになっているかこということは実際誰にもわからないのです。しかし最も重要なことは、国家間のバランスある資源分配への必要性の周りで、グローバル公衆の間での途方もなく大きなコンセンサスを引き起こすことです。私たちが明確に定めることができるのは、変革する必要のある価値観であり、そして分かち合いの原理と協力が個人的、国家的、世界的に来たるべき偉大な変遷の基盤になるということです。

その変遷は進行中であり、私たちはそれをピアツーピアやコモンズ・ムーブメント、社会的連帯経済、多くの新経済や民主主義イニシアチブなどすべての分野で目撃しています。しかしながら必要とされる変革の規模はグローバル、政府間レベルで実現される必要があり、そしてそれが私たちが直面する文明的危機への唯一の解決策です。持続可能なコミュニティをつくるだけでなく、国際社会によって先導されるグローバルな変革をもたらすということです。それは、多くの理由のため、国連システムを通して組織立てられねばならないと私たちは議論します。

もし協力と分かち合いが受け入れるべき価値観であるなら、私たちが破棄すべき習慣的営みはなんでしょうか。

至って簡単に言うと、消え去るべき第一のものは飢餓の存在です。この地球上で飢えるべき人はいません。世界が必要とする食糧の1.5倍の生産量があるのです。優先されるべきもうひとつの問題は、富がますます少数の手に集中しているところの世界生活基準の極端な格差です。その動向が覆される必要があります。ほぼ間違いなく、もしそのプロセスが国連によって組織化された緊急分配プログラムを通して始まるなら、私たちが直面するその他すべての問題が対処され得るのです。

世界的不平等の問題は、まず第一に世界的飢餓に対処することによって解決されますが、そうするためには僅かな年数で達成可能な、食糧とその他の不可欠資源分配を実施するよう政府に圧力をかけるために、一般人の大規模な慈悲心の目覚めが必要です。

この問題を囲んで市民社会の持続した大規模な参加が必要とされます。市民社会が人々の組織として国連を取り戻す必要があります。

あなたが述べるように、既存の権力機構や「オキュパイ」ムーブメントの過程を経た変革戦略を多くの人々が批判しています。それでもなおあなたはそれが前進への道だと信じていますが、なぜですか。
 

そうですね、あなたはポール・メイソンニック・スル二チェクのような人々について言及しているのだと思います。私たちが提案したやり方でもしある種のグローバルな霊的統一を達成するなら、既存の権力機構を使えない理由はありません。オキュパイ・ムーブメントはアメリカの人口の約0.01%を構成するにすぎません。それは、それよりもっともっと大きなムーブメントである必要があります。もし人口の10%が動員するなら、モハメッドがアメリカよ、奮い立て!などの執筆で広範囲に書いているように、政治的変革の可能性を誰も否定できないはずです。

さらに、オキュパイの問題は、それが特定の要求を持たなかったこと、そして国家的状況に集中していたということです。ウォール街でなく、そこから2、3通り向こうに的を絞り、国連本部を取り囲むアメリカ人のムーブメントが起こることが望まれます。私たちの要求の範囲は国際的でなければなりません。

量的金融緩和などの複雑な問題についてでなく、世界資源のより公平な分かち合いを通して万人のために世界人権宣言第25条を保証することなどシンプルで遠大な要求について話し合う必要があります。これが、1ドル以下で生活する8億以上の人々を含んだ、統一した目標を持つ人口の大多数派を動員できるものなのです。


もし、世界中の街頭で断続する平和的動員のなか十分な人が集まるなら − アラブの春オキュパイの蜂起のなか比較的小規模で見られたように − ひいては政府は人々の声が要求することを強いられ、私たちはグローバルな優先事項の大規模な転換を見通すことができるのです。

ハートを従事させる、国境を越えた新たな種類のグローバル行動主義が必要とされます。世界中で、飢える人々への慈悲を通して何百万という人々の間の「ハートの目覚め」を生み出せない理由はありません。

この大規模なグローバル・ムーブメントを成就するためには、なにが変革されるべきかについての明確な政策議題をあなた方はもちますか。

最初に1980年のブラント委員会報告に詳述され、国連のもと生み出された緊急再分配プログラムの必要性を私たちは説明しました。これは時代に合わせて最新される必要がありますが、これが私たちが提案する基本的概要です。


この点まで私たちが話してきたことを簡略化すると、緊急再分配プログラムをもたらすよう国々と国連に圧力をかけるであろう大規模な市民社会ムーブメントを生み出すために、あなた方は人々のハートに訴えかけることを望んでいるということですね。この計画の最後の部分が明らかに外国援助に類似することから、それが直面する定番の批判にどう応じますか。

そうですね。私たちがハートの目覚めについて話すとき理解すべきことは、世界の飢餓及び貧困の真の範囲について現在人々に認識がないということです。現在の状況下で、再分配されている援助は十分であることから程遠く、しばしばドナー国の戦略的または企業利益に都合の良い条件制限のもと与えられます。貧困国はまた、不正な資金の流れ、利益還流、不公平な貿易取引、その他諸々を通して富裕国を融資しています。

あなたが言及した全議論は特定の状況に当てはまります;その状況自体のなかに変革が起こる必要があります。それは、世界の最も貧しい地域への食糧とその他の不可欠な資源の流出をもたらすだろう飢餓根絶問題を囲んで、もし大規模な一般人の参加があるなら起こり得るでしょう。もし数ヶ月どころか数年の期間持続されるなら、グローバル公衆からの止むことのない訴えかけはまた、世界経済の大構造変革をももたらすよう政府を駆り立て、世界資源分配のバランスを取り戻すことに至るでしょう。最終的には、今日理解されるところの「援助」は過去の遺物となるでしょう。

​恐らくこれは「第一世界」的見方ですが、分かち合いは間違いなく上昇トレンドです。あなたはそれが良いことであると思いますか。

私たちは分かち合い経済に関してかなり広範囲に書いてきましたが、私たちの基本的批判は、これらのピアツーピアやローカル・イニシアチブがしばしば商業的利益によって取り込まれ、変革的可能性を剥ぎ取られているということです。真の分かち合い経済は遥かに異なったものであり、世界の貧困者のための正義に関する政治的概念と共に始まります。モハメッドは最近の考察のなかでこの題目についてかなり詳しく拡張しており、このインタビューで私たちがすでに話し合ったように、世界全体で貧困が原因の飢餓の根絶のために何千万人が蜂起するときにのみ、分かち合いの変革的ビジョンが見出されるだろうということを主張しています。

STWRのサイトではしばしば脱成長の概念が語られています。この問題についてのあなたの視点はなんですか。

まあ、私たちは必ずしも脱成長の論理的根拠を全面的に支持しているわけではありませんが、確かに成長後経済の必要性と定常状態の時代に移行することの重要性を信じます。特に気候危機の緊急事態に関係して、例えば、ティンダル・センターのケビン・アンダーソンによって提議されているように、これを論証する化学的正当性があるのです。

あなたが望むハートの目覚めのムーブメントを具体的にどのように発展させるのですか。

私たちにはウエブサイトと発表文献があり、コンファレンスなどにも参加しますが、STWRは小組織です。必要とされるのは、人間の意識の哲学的な内部の変革です。STWRは、政治的問題や世界で起こっていることに対して別の見方があるのだということを人々に伝えるための教育を行おうとしており、それは例えば、難民危機についての視点の転換を要します。この時点で私たちが集中しているのは教育です。
 

[1]モハメッド・メスバヒはシェア・ザ・ワールズ・リゾースィズの創始者、会長である

オリジナル・ソース: What.happens.now?