分かち合いの原理、公平さ及び正義を弱体化するグローバルな気候変動交渉に真の熱望も正義もありません。しかしパリでの「責任回避」交渉後、拡大する人々の声の力がより平等で持続可能な世界の到来を告げることが出来るすべての希望がまだあるのです。
世界のリーダー、外交官、ロビイスト及びNGOの全員が去ったCOP21終了後の現在、環境キャンペーナーはパリで同意された新たな気候変動交渉の実績に関する評価をいまだ見積もっています。色々な点で、「人類にとっての大飛躍」や「世界最大の外交的成功」など大々的に賞賛する新聞の見出しが正当化されました。産業革命前に比べて1.5度高い気温レベルを維持する意欲的な目標は確かに期待以上に野心的であり、今世紀後半には「人間による温室効果ガス排出ネットゼロ」の最終的目標について色々言われました。
発展途上国が気候変動に適応し、化石燃料から離れることを助力する新たなお金が全く誓約されていないことにおいてもまたこの協定は公正ではありません。市民社会の分析によると、既存の誓約である年間千億ドルの気候変動資金は必要額の4分の1であり、そしてこれもまた法的に拘束力がなく不明瞭な言葉で言い表されています。キャンペーナーが長い間理由付けて来たように、それは援助、ローンまたはチャリティの問題でなく;世界の大部分への富裕国の歴史的負債に関するものです。それにもかかわらず、貧困国に義務が転換され、気候修復の提案が限界から押しやられたところのパリ交渉の基盤からは程遠いのでした。同時に、最終合意の本文では人権や先住民の権利についてのどのような言及も省かれていました。
「公平な分担」への拡大する要求
もっと明るい話題に変えると、分かち合いへのグローバル・コールは現在、環境正義問題に集中する市民社会活動家の間での中心的テーマです。誠に、パリ会議の山場は従来通り、先進国と発展途上国の間で気候変動の責任をどう分担するかについての困った問題に関係します。炭素排出削減への政府の誓約についての主な市民社会報告「公平な分担」に表されるように、どんな気候変動交渉の成功であろうと公正さと公平さがどのように鍵となるかをキャンペーナーは細心の注意を払って明確に述べています。COP21での#公平な分担を富裕国が憶えておくようにという要求は、会議外で行動を披露した抗議者のスローガンでさえありました。
予想されたように、地球の大気圏を富裕国と貧困国の間でどう公平に分けるかについてのどんな話し合いにも必要不可欠な目標の基盤である、世界的炭素収支への明瞭な言及が最終同意にはありませんでした。会議は公正性や公平性の展望をまったく明確にしませんでした;それとは反対に、公平だが差異ある責任と能力として知られるUNFCCC交渉の公平性の原則を弱体化するために、アメリカはいじめ戦術や賄賂を使って可能な限りすべての手段を尽くしました。
汚染者の大逃亡
ひとりの革新的アナリストによると、最近の気候変動に関する合意は富裕国に対する規則を弱め、グローバル経済の構造化における根本的変革への望みがないため、「汚染者の大逃亡」として歴史上思い出されることでしょう。近い時期に、そしてより長期的に気候変動に取り組むために必要な難しい政治的、経済的及び社会的変革を話し合うことからは程遠い、カーボンマーケットや大企業に都合の良い他の偽の解決策へもまた今一度再びドアが開かれます。
従ってたとえパリ協定が真の世界的表現形態に近い何かに分かち合いの原理、正義及び公平性を反映出来なかったとしても、環境制約内で地球資源を公平に分配するという21世紀の大きなチャレンジがこれ以上明瞭であったことまたは緊急を要したことはかつてありません。
今日、環境問題に関する限り、すべての家族が自分たち自身の政府であるべきです。あたかも私たち全員が人類のための大使であるかのように、この惑星を救う任務において私たちは各自の役を演じる大統領や首相となるべきです。
私たちは、化石燃料や兵器から気候資金や再生可能エネルギーへとお金を転じるための既存の要求を拡大せねばなりません。必要とされる技術、発明の才及びお金のすべてがあるのを私たちは知っています。しかし絶え間ない平和的動員を通して表現される公衆からの膨大な圧力なしで政府が自分たちの優先事項を変えることはないでしょう」。
フォト・クレジット:Columnf.com